ナチスドイツ 親衛隊

元は総統アドルフ・ヒトラーを護衛する党内組織(親衛隊)として1925年に創設された。1929年にハインリヒ・ヒムラーが親衛隊全国指導者に就任し、彼の下で党内警察組織として急速に勢力を拡大。ナチスが政権を獲得した1933年以降には政府の警察組織との一体化が進められた。保安警察ゲシュタポと刑事警察)、秩序警察、親衛隊情報部、強制収容所など第三帝国の主要な治安組織・諜報組織はほぼ全て親衛隊の傘下に置かれていた。1934年には正規軍である国防軍から軍事組織の保有を許可され、親衛隊特務部隊(後の武装親衛隊)を創設した。以降特務部隊以外の親衛隊員は一般親衛隊と呼ばれるようになった。

第二次世界大戦中、武装親衛隊がヨーロッパ各地で戦ったが、警察業務の親衛隊はドイツ及びドイツ占領下のヨーロッパ諸国において治安維持、反体制分子摘発、ユダヤ人狩りなどにあたった。戦時中に親衛隊は絶滅収容所アインザッツグルッペンを組織してユダヤ人の絶滅を図ろうとした(ホロコースト)。そのため親衛隊は悪名高い組織となり、戦後のニュルンベルク裁判では全ての親衛隊組織は「犯罪組織(英:Criminal Organization)」であるとする認定を受けた。21世紀に入って尚、隊員達は本人の死亡が確認されるまで犯罪者として追跡され、居所が確認されれば逮捕、裁判に掛けられている。

隊のモットーは「Meine Ehre heißt Treue(My honor is called fidelity:忠誠こそ我が名誉、我が名誉は忠誠を宣する事)」。